選挙が終わるたびに、弁護士グループが全国の高裁へ一斉提訴する——この「定例行事」は、日本の三権分立が実際に作動する数少ない定点観測ポイントです。
論点はシンプルです(選挙の仕組み)。有権者約46万人の選挙区と約22万人の選挙区が、同じ「1議席」を選ぶ。後者の一票は前者の約2.1倍の重みを持ちます。これは法の下の平等に反しないか——それが裁判所に問われています。
読みどころは判決の「結論」だけではありません。裁判所の答えには「合憲」「違憲状態(不平等だが是正の時間的猶予を考慮)」「違憲」という段階があり、過去には最高裁の「違憲状態」判決が実際に選挙区の区割り改定を促してきました。選挙を無効にはしないが、立法府に是正圧力をかけ続ける——司法と立法の、抑制の効いた緊張関係(三権分立)がここにあります。
今回の高裁判決は一つの通過点で、各地の判決が出そろえば最高裁が統一判断を示します。「またこの裁判か」ではなく、法の支配の健康診断として毎回の判断の推移を見る——それがこのニュースの教養ある楽しみ方です。