アズリテ
電気と磁気の科学・ レッスン 2 / 4
自然科学 / 物理・宇宙

電気と磁気の、深い関係

読了目安 4/灯る概念:

二つの「見えない力」の、秘密の関係

前レッスンで、電気の正体を見ました。ところで、世界には、もう一つ、よく似た「見えない力」があります。磁気——磁石の力です。磁石は、鉄を引きつけ、N極とS極が引き合い、退け合う。電気と磁気。どちらも見えない力ですが、一見、まったく別の現象に思えます。磁石で電球は光らないし、電池は鉄を引きつけません。ところが——19世紀の科学者たちは、驚くべきことを発見しました。電気と磁気は、実は、深く結びついた、表裏一体の現象だったのです。この発見が、現代文明の扉を開きました。その物語を見ていきましょう。

発見その1——電流は、磁気を生む

最初の発見は、偶然からでした。電流を流した電線の近くに、たまたま方位磁針があった。すると——磁針が、動いたのです。電流が流れると、そのまわりに、磁気(磁場)が生まれる。電気が、磁気を生み出していたのです。

この発見は、すぐに応用されました。電線をぐるぐる巻いたコイルに電流を流すと、強い磁石になる——電磁石です。電磁石には、ふつうの磁石にはない、決定的な利点があります。

  • 電流を流せば磁石になり、切れば磁石でなくなる。オン・オフできる磁石
  • 電流を強くすれば、磁力も強くできる

この「自在に操れる磁石」は、無数の機械の心臓部になりました。そして、この「電流が磁気を生む」原理を突き詰めると、電気の力で、物を動かすことができます。電磁石の力で回転を生み出す装置——モーターです。扇風機、洗濯機、電車、電気自動車——モーターは、電気を「動き」に変える装置として、現代の生活を、あらゆる場所で支えています。

発見その2——磁気は、電気を生む

「電気が磁気を生むなら、逆に、磁気から電気を作れないか?」——科学者ファラデーは、そう考え、粘り強い実験の末、歴史的な発見をしました。磁石を、コイルの近くで動かすと——電流が生まれたのです。これを、電磁誘導と言います。

ポイントは、「動かす」ことです。磁石を置いただけでは、電流は生まれません。磁石とコイルの関係が変化するとき、電流が生まれる。つまり——

動き(運動)から、電気を作れる。

この発見の意味は、計り知れません。これが、発電機の原理だからです。何かの力でタービン(羽根車)を回し、磁石とコイルを動かし続ければ、電気を作り続けられる——

方法は違っても、最後は、みな電磁誘導で電気を作っているのです。現代の発電所は、ほぼすべて、この一つの原理の上に建っています。ファラデーの実験室での小さな発見が、電力文明という、巨大な現実を生み出したのです。

電気と磁気は、一つのもの

こうして、電気と磁気の関係が、明らかになりました。電気は磁気を生み、磁気(の変化)は電気を生む。互いが互いを生み出し合う——電気と磁気は、別々の現象ではなく、一つの現象の、二つの顔だったのです。この統一的な理解は、電磁気学として完成され、前に光で学んだ、驚くべき帰結にもつながりました。電気と磁気が互いを生み出しながら、波として空間を伝わっていく——それが電磁波であり、光の正体です。電気と磁気の研究が、光の正体まで解き明かしたのです。

バラバラに見えた現象(電気、磁気、光)が、実は一つの原理で結ばれている——これは、科学が世界の隠れた統一性を見出してきた、最も美しい実例の一つです。次のレッスンでは、この原理が支える、電力という文明の血液を見ます。

ニュースで使う視点

モーター、発電、電気自動車、送電技術に関わるニュースに触れるときは、「電気と磁気が互いを生み出し合う」という原理を思い出してみてください。モーターも発電機も、この一つの原理の応用です。この理解は、エネルギーと技術のニュースを、原理から読み解く力になります。次のレッスンでは、電気が文明を支える仕組みを見ます。

理解度チェック

全問回答でレッスン完了・概念が灯ります
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Q1電気と磁気の関係について、科学が明らかにした重要な事実はどれですか?
Q2「電磁誘導(磁石を動かすと電流が生まれる現象)」が、文明にとって決定的に重要だったのはなぜですか?