アズリテ
労働と雇用の経済・ レッスン 1 / 4
社会科学 / 経済・金融

労働市場のしくみ

読了目安 2/灯る概念:

「働く」も市場で取引されている

野菜や株と同じように、労働力もひとつの市場で取引されている——この見方が、賃金や雇用のニュースを読む土台になります。需要と供給の考え方を「働く」に当てはめてみましょう。

労働市場では、登場人物の役割が直感と少し逆になります。労働力を欲しがる(需要する)のは企業労働力を売る(供給する)のは働き手です。求人はモノを買いたいという需要の表明であり、求職はモノを売りたいという供給の表明です。この需要と供給のバランスで、賃金(労働の価格)雇用量が決まっていきます。

賃金は「価格」だが、特別な価格

労働は普通の商品と違う点がいくつもあり、そこが労働経済学の面白さです。

  • 売り物と売り手が切り離せない:労働力を売るとき、人間そのものがその場に行きます。だから労働条件や職場環境が価格(賃金)と同じくらい重要になります
  • 下方硬直性:モノの値段は需要が減れば下がりますが、賃金は下げにくい。名目賃金の引き下げは働き手の強い抵抗を招くため、不況期には賃下げより雇用削減(失業)で調整されがちです
  • 市場の外の力:最低賃金という法律の下限、労働組合との交渉、長期雇用の慣行など、純粋な需給だけでは決まりません

「人手不足なのに賃上げが鈍い」謎

近年よく報じられるこの現象も、労働市場の特殊性で読めます。需給だけなら人手不足は賃上げに直結するはずですが、現実には賃金の上がりにくさ(上方への鈍さ)、企業が値上げ=賃上げに慎重な心理、正社員を守るために非正規で調整する構造などが重なります。「需給」を出発点にしつつ、そこに乗る慣行や交渉力まで見るのが、労働のニュースを読むコツです。

次のレッスンでは、労働市場の「うまくいっていない部分」を映す指標——失業の読み方を学びます。

理解度チェック

全問回答でレッスン完了・概念が灯ります
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Q1労働市場を「需要と供給」で捉えるとき、労働の需要側・供給側にあたるのはそれぞれ誰ですか?
Q2「人手不足なのに賃金がなかなか上がらない」現象を労働市場の見方で説明するとき、着目すべき点はどれですか?

学んだ知識で、現実を読む

このレッスンを完了すると、「労働市場」で読み解けるニュースの読み解きに挑戦できます。

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