「無料なのに、なぜこれほど儲かるのか」——SNSの答えは、利用者の注意と時間そのものを収益に変える注意経済の仕組みにありました。8月26日、Meta(Facebook・Instagram)は、この設計を若年層への深刻な害だと訴えていた51の州・地域と和解したと発表しました。争点は、Instagramが意図的に中毒性のある機能を組み込み、その危険性を隠していたという主張です。
支払いは10年間で最低121億ドル、他の大手SNSも同様の対策に応じれば最大171億ドルに達する見通しです。あわせて、18歳未満は1日2時間までの利用制限、深夜のアクセス禁止、通知の抑制といった安全機能の導入も義務づけられました。
ここで押さえておきたいのは、これが「逮捕」でも「刑事罰」でもなく「和解」だという点です。民法と刑法の区別を知っていると、「提訴・賠償・和解」は私人間の権利義務を扱う民事の言葉だと分かります。州が起こしたのは、Meta社を犯罪者として処罰する訴えではなく、若年層への加害に対する賠償と是正を求める民事の訴訟でした。今回の決着が、業界全体の設計をどう変えていくのか、続報に注目です。