会社員なら当たり前にある「育休中は年金保険料が免除される」という仕組み、実はフリーランスや自営業にはこれまでありませんでした。2026年10月1日、国民年金の第1号被保険者(自営業・フリーランス・農業者など)を対象に、子が1歳になるまでの保険料を免除する「育児期間免除制度」が始まりました。
社会保険は、働いているときに保険料を出し合い、病気や失業、老いといったリスクに直面した人を支える仕組みです。会社員の年金にはすでに育休中の免除がありましたが、フリーランスの国民年金にはその仕組みが欠けていました。今回の制度で興味深いのは、免除された期間が「保険料を納めたもの」としてそのまま年金額に反映される点です。一般的な保険料の全額免除は、将来の年金額には半分しか反映されませんが、この育児期間免除は全額が反映されます。「払わなくていい」で終わらず、将来も不利にならない設計になっているわけです。
年金が現役世代の保険料を今の高齢者への給付に充てる、世代間の支え合いで成り立っている以上、免除した分はどこかで埋め合わせる必要があります。今回は国の負担でその分を補うことで、育児期間を「支え合いから外れる期間」にしない設計にしたわけです。働き方が多様になるほど、こうした「誰が安全網の外にいるか」という発見と、そこを埋める制度の手当てが繰り返し起こります。