生成AIをめぐるニュースは、賢さや使い道の話に集まりがちだ。だがその足元には、もっと物理的な現実がある——電気と熱である。エヌビディアと三菱重工が組もうとしている領域も、まさにそこだ。
AIの計算は、データセンターという巨大な建物の中で行われる。「クラウド」と呼ぶと軽やかだが、実体は膨大なサーバーが詰まった倉庫で、動かすにも冷やすにも大量の電力を食う。米国では2030年に、国内の電力の1割超をデータセンターが使うとの試算もある。計算を増やすほど電気が要り、その電気は必ず熱に変わる。だから発熱をどう逃がすかが、増設の一番の壁になる。
ここで効くのがエネルギーの保存と変換という素朴な物理だ。使った電力は消えてなくならず、ほぼすべてが熱になって出てくる。冷却技術とは、その熱を効率よく運び出す工夫のこと。発電所やプラントを冷やしてきた三菱重工のノウハウが、AIの現場で求められる理由もそこにある。
そしてこの電気は無尽蔵ではない。資源の有限性という壁がある以上、AIの成長はどこかで電力網の容量とぶつかる。持ち帰れる読み方はこうだ。派手なAIニュースを見たら、「これは何ワット消費し、その熱と電気をどこから持ってくるのか」と一度問うてみる。知能の話は、いつも電力の話とつながっている。