大阪の画像制作会社が、生成AIで作ったヘアモデル写真の著作権をめぐって、千葉県の美容サロンを提訴しました。日本で初めて、AI生成画像に著作権が認められるかどうかが正面から争われる裁判です。
この会社は、性別や年齢、髪型、雰囲気といった条件を生成AIに入力して画像を作らせたあと、人の手で1枚あたり約40分かけて仕上げの調整を加え、1,100円から25,000円で販売してきました。ことし4月、自社の作品とほぼ同一の画像が、無断で美容サロンの広告サイトに使われているのを見つけたといいます。サロン側は「AI生成画像に著作権は存在しない」と反論しています。
著作権は、創作者の利益を守りつつ、作品を利用する側の自由や文化の発展とのバランスを取るための仕組みです。これまでこの権利は、基本的に「人間による創作的な表現」に与えられるとされてきました。では、AIが自動で作った画像は、その対象になるのでしょうか。今回の争点はまさにここにあります。完全にAI任せの生成物ではなく、人間が約40分かけて手を加えているという点が、著作権の成立を左右する重要な手がかりになりそうです。
生成AIをめぐっては国内にまだ明確な法律がなく、担当弁護士も今回の裁判が今後の判断基準になりうると指摘しています。誰が、どこまで手を加えれば「創作した」と言えるのか——AIが日常的な制作ツールになった今、この問いは画像だけでなく文章や音楽にも広がっていく、これからも繰り返し向き合うことになる論点です。