AIという技術そのものは何も変わっていません。変わったのは呼び方です。トランプ米大統領は9月29日、連邦政府の公式文書やウェブサイトで「AI(人工知能)」の代わりに「SI(超知能、スーパーインテリジェンス)」という呼称を使うよう命じる大統領令に署名しました。大統領令は、現在の技術が「AIという言葉が生まれた頃の想定をはるかに超えている」として、新しい呼称の方が技術の将来性をより的確に捉えているとしています。
ここで注目したいのは、性能や仕組みが何一つ変わらないまま、呼び方だけを変えても印象は動くという点です。これはフレーミングという仕組みそのもので、同じ事実でも切り取り方・呼び方次第で受け手の印象が変わることを示しています。「人工」という言葉には「本物でない」という響きが残りますが、「超知能」という言葉は、能力の大きさや将来性をまっすぐ前面に出します。
こうした言葉の選び方で人の受け取り方を動かす技術は、古くからレトリックとして研究されてきました。良い悪いを断定する前に、まず「呼び方が変わると何が起きるか」を分けて見る視点を持っておくと、この先似たような改称のニュースに出会ったときにも役立ちます。