運動する気になれない——そう感じている高齢者に、ロボットが効くかもしれません。慶應義塾大学や神奈川県立保健福祉大学などの研究チームが、装着型のロボット「HAL腰タイプ」を使った運動プログラムの効果を発表しました。
対象はフレイル(虚弱)状態にある高齢者です。プログラムを通じて有意に高まったのは、体力そのものではなく「運動への自信(運動セルフエフィカシー)」でした。これは「自分はやり遂げられる」という感覚で、動機づけを支える土台になります。しかも効果が最も大きかったのは、もともと運動する習慣がなく、始めるつもりもなかった人たちでした。
ロボットが直接歩かせたり筋肉を強くしたりする以上に、「これならできそう」という気持ちを後押ししたと読めます。高齢化が進む社会では、フレイル対策の担い手は医療者だけでは足りません。やる気そのものを支える技術という発想は、体力づくりの前段階を埋める一手として、今後も繰り返し出てくるはずです。