「AIはバブルか、革命か」——この夏、そんな問いが金融の世界を騒がせている。JPモルガンや国際決済銀行(BIS)といった手堅い顔ぶれまでが、AIへの投資の過熱に警戒を口にし始めた。だが「バブルだ/いや革命だ」の言い合いを眺める前に、もっと使える見方がある。過去の熱狂と、いまを重ねてみることだ。
市場は同じ形の熱狂と崩壊を、名前を変えて何度も繰り返してきた。17世紀オランダのチューリップから、2000年前後のバブルまで。共通する型は二つある。ひとつは、期待を集めた一部の資産に資金が集中し、価格が将来の利益で説明できる範囲を超えて膨らむこと。もうひとつは、巨額の設備投資が「いつか回収できる」という前提で先に進むことだ。いまのAI相場に、この二つが当てはまると指摘されている。
ここで効くのが、リスクとリターンという土台の考え方だ。高いリターンが見込める話には、必ず相応のリスクが張りついている。「絶対に儲かる」も「これは新時代だから別」も、熱狂のときほど聞こえがよくなる。
持ち帰れる読み方はこうだ。値上がりしそうな銘柄を当てにいくのではなく、「いまの価格は、将来のどれだけの利益を前提にしているのか」を問う。前提が地に足についているかを点検する癖は、AIに限らず次の「◯◯ブーム」でも足元を守ってくれます。