8月上旬、各地の港から大型の棒受け網漁船が、次々とサンマ漁の漁場へ向けて出港しました。しかし今年は、出港前から厳しい予測が示されています。日本沿岸への来遊量は昨年の4割程度、統計上も過去最低の水準にとどまるとみられているのです。
原因は、単純な「獲りすぎ」ではありません。最大の要因は、日本近海の海水温の上昇です。サンマのえさとなるプランクトンは、水温が上がると減ってしまいます。すると、サンマの回遊ルートそのものが、日本の近海から、遠く離れた公海へと移っていく。かつて日本の経済水域の中で獲れていた魚群が、外国船とも競合する公海まで出て行かないと獲れなくなっているのです。魚のサイズも、去年より小ぶりになる見通しです。
この変化は、「今年はたまたま不漁だった」で片づけられるものではありません。海の恵みは無限に湧いてくるものではなく、水温という地球規模の変化によって姿を変えうる有限な資源だということを、サンマは教えてくれています。食卓では、今年もサンマが手に入りにくく、値段も高くなりそうです。値札の向こうに、海の変化があることを、思い出してみてください。