「15兆円」という金額を聞くと、これだけ使えば円安は収まりそうな気がしてきます。ところが介入のあとも、円相場はやはり160円台で推移していて、目立った反転は見られていません。なぜでしょうか。
ここで効くのが、為替を動かす金利差という見方です。円が売られ続けている理由は、日本の金利が海外よりまだ低く、より高い利回りを求めるお金が、円を売って高金利の通貨へ移り続けているからでした。財務省の介入は、この流れに逆らって円を市場で買い戻す一手です。効果はありますが、あくまで「流れを押し戻す力」であって、流れそのものを生んでいる金利差までは変えられません。だから市場では、今回の介入も「時間稼ぎ」という受け止めが少なくないのです。
もう一つ注目したいのが、7月31日に日本とアメリカがそろって円買いに動いたこと。単独の介入は繰り返されてきましたが、通貨当局が足並みをそろえるのは約28年ぶりとされます。一国だけの介入より、市場に「本気で押し戻す」というメッセージが強く伝わりやすい一手ですが、これもやはり金利差そのものを動かすものではありません。
為替介入のニュースを読むときは、「金額の大きさ」だけでなく、「何を変え、何を変えていないか」を分けて見ると、次にどう動くかが読みやすくなります。金利差が縮まらない限り、同じ構図の介入は、この先も繰り返されるでしょう。