「降水確率」のようにいつも幅を持って語られる天気予報が、また一歩正確になりました。2026年9月3日、Google DeepMindとGoogle Researchは全球気象予測AI「WeatherNext 3」を発表しました。
これまでの天気予報は、気圧や気温の変化を表す物理方程式を、政府機関の巨大なスーパーコンピュータで数値的に解くという方式が主流でした。精度は高いものの計算コストが重く、予報の更新頻度にも限界がありました。WeatherNext 3はこれとは違うアプローチを取ります。機械学習、つまり人間があらかじめルールを書くのではなく、大量の観測データそのものから「こういう大気の状態のときは、こう変化しやすい」というパターンを学び取る方式です。
もう一つの工夫が、衛星データの取り込み方です。従来のAIモデルは、観測データを一度整えた「解析値」ができるまでの待ち時間を挟んでいましたが、WeatherNext 3は衛星の生データを毎時直接読み込みます。この結果、主要な変数では5km四方という細かい解像度を実現し、降水予測の精度は前世代モデルに比べて最大60%改善したといいます。天気予報が「確率」で語られるのは予測に不確実性がつきまとうからですが、その幅を少しずつ狭める競争が、こうして続いているわけです。
この見方は天気予報に限りません。ある分野で「賢いAI」が話題になったとき、その中身がアルゴリズムの工夫なのか、使えるデータの量や新鮮さの違いなのかを分けて見ると、ニュースの理解がぐっと深まります。