天気予報が「降水確率30%」のように幅を持たせて語られるのは、天気という現象そのものに不確実性がつきまとうからです。この基本を踏まえると、気象庁が今回発表した「1カ月予報」の見直しの意味がよく見えてきます。
これまで気象庁は、向こう1カ月の降水量・降雪量・日照時間を、ひとまとめの見通しとして示してきました。これを2030年までに、「1週目はこう、2週目はこう」という具合に、週単位で見通しを分けて示す方式に改めます。気温の予報もより細かくする方針です。狙いは、記録的な豪雨や猛暑といった異常気象が頻発する中で、物流・小売・農業など企業が業務の判断に使いやすいデータを提供することです。2日先までの詳細な短期予報とは別の、もう少し先を見るための中期的な情報として拡充される位置づけになります。
ここで働いているのは、天気予報が確率で語られる理由と同じ発想です。先の予報ほど不確実性は大きくなります。1カ月分をひとまとめにしてしまうと、来週の確からしい見通しと、3週間後のまだ粗い見通しが、同じ解像度で並んでしまいます。週ごとに区切ることは、「近い週=確からしい情報」「遠い週=まだ粗い情報」という違いを保ったまま届ける工夫だと言えます。確からしさの異なる情報を一緒くたに扱わず、どこまでが確かでどこからが幅を持つ推測なのかを分けて示す——これは天気予報に限らず、先の見えない中で情報を使って判断するときに応用できる型です。