「レアアース」と聞くと、スマートフォンや電気自動車に欠かせないけれど地球上のどこかでしか採れない、手の届かない資源というイメージがあるかもしれません。でも今回のニュースが教えてくれるのは、資源の偏りそのものは動かせなくても、「頼る量」は技術で減らせるという話です。
三菱電機は、家庭用エアコンの磁石からレアアースを取り出して再利用する取り組みを6月から始めました。試算では、使われるレアアースの35%をリサイクルでまかなえるようになり、新たに調達する量を100%から65%へ減らせる見通しです。一方プロテリアルマグネティクスは、特に中国への依存度が高い「重レアアース」を使わずに済む磁石を開発しました。磁石の内部構造を制御することで、レアアースなしでも高温に耐える性能を実現し、すでに電気自動車の高出力モーターに使われています。
こうした動きの背景にあるのは、資源が外交の武器になるという構図です。レアアースの産出は中国に偏っており、その輸出規制が長期化したことで、日本企業は「同じものをどこで安く買うか」ではなく「使う量そのものを減らす」方向へ動き始めました。これは半導体でも見られた構図と同じで、有限な資源への向き合い方として、今後も他の資源で繰り返し現れるはずです。