「7カ月連続でマイナス」と聞くと、家計がずっと冷え込み続けている、かなり強い話に聞こえます。でも中身を開けてみると、印象ほど単純ではありません。6月の家計調査で、2人以上世帯の実質消費支出は前年より3.3%減りました(総務省、8月7日公表)。この数字を、鵜呑みにせず割り引いて読んでみます。
まず、前年同月比というものさしのクセです。比べているのは去年の同じ月。今年6月は台風・降雨・低温で外出や買い物が控えられ、しかも日曜日が去年より1日少なかった。日曜が1日違えば、買い物に出やすい日の数が変わります。天候と曜日という「その月ならではの事情」が、数字を押し下げているわけです。次に、名目は1.5%減なのに実質は3.3%減。差は物価です。物価の上昇分を割り引くと、目減りが大きく見えます。
もう一つ大事なのが、家計調査という指標そのもののぶれやすさです。調査する世帯の数はそれほど多くなく、単月の数字は月ごとに大きく揺れます。だから1カ月・1指標で断定せず、GDPの個人消費など別の物差しや、数カ月の流れで確かめるのが定石です。
持ち帰れる見方はこうです。「◯カ月連続」「前年比◯%」という強い見出しに出会ったら、受け取る前に3つで割り引く——(1)比べている2つの時点それぞれの特殊事情、(2)物価(名目か実質か)、(3)その指標のぶれやすさ。景気の実像は、一つの数字の強さだけでは決まりません。