11日朝、種子島宇宙センターからH3ロケット9号機が打ち上げられ、日本版GPSとも呼ばれる測位衛星「みちびき」7号機が、予定の軌道に投入された。打ち上げから約29分後、ロケットから衛星が切り離され、日本が他国の衛星に頼らず位置情報を維持できる体制に、また一歩近づいた。
打ち上げのニュースは、どうしてもロケットや衛星という「モノ」に目が向きがちだ。しかし今回、一緒に確かめておきたいのは、その正確さを裏側で支えている、意外な物理法則である。実は、測位衛星は、相対性理論の補正なしには、正確に動かない。
衛星は猛スピードで地球を回っているため、地上の時計より進み方が遅くなる(特殊相対性理論の効果)。一方で、地上より重力の弱い高い場所にいるため、時計は逆に速く進む(一般相対性理論の効果)。この二つを差し引きすると、衛星の時計は地上よりわずかに速く進み、補正しなければ位置情報は1日で数キロメートルもずれてしまう。100年前の抽象的な理論と思われがちな相対性理論は、実はスマホのカーナビの中で、毎日静かに働いているのだ。
次に測位や宇宙開発のニュースに出会ったとき、「正確さの裏には物理法則がある」と知っておくと、見え方が少し変わってくる。