FIFA(国際サッカー連盟)が打ち出した、評価額200億ドル規模の新会社構想をめぐり、欧州(UEFA)・アジア(AFC)・北中米カリブ(Concacaf)の3つの地域連盟が8月10日、連名で「サッカーファミリーへの公開書簡」を発表した。
構想は7月28日に公表された「FIFAフォワード・エンタープライズ」。株式の20%を外部投資家に売却し、集めた資金をサッカー界に配分するというものだった。しかしFIFAは、加盟協会への十分な説明・協議をしないまま計画を進め、検討する時間も短く区切っていたという。批判を受けてFIFAは7月31日にいったん計画を撤回したが、3連盟の書簡はなお厳しい。「これは単なる手続きの失敗ではなく、信頼の根本的な裏切りだ」として、完全に独立した第三者機関による調査を求めている。
これは「サッカーは誰のものか」という古い問いの、最新の一場面だ。FIFAは加盟協会から権限を託され、サッカー界を代表して意思決定する立場にある。しかし今回のように、託した側の頭越しに大きな決定が進めば、「代理人」であるはずのFIFAが「本人」のように振る舞ったと映る。組織の不祥事を、誰か一人の判断ミスに帰着させると本質を見誤ることが多い——今回3連盟が求めているのも、個人の謝罪ではなく、独立した第三者機関による調査という、構造そのものの点検である。