「速報値は前期比0.3%増、改定値は0.5%増」——数字だけ見ると小さな違いに見えますが、年率に直すと1.0%から2.2%まで動いています。2026年9月8日、内閣府が発表した4〜6月期のGDP改定値は、8月公表の速報値から大きく上方修正されました。
なぜ同じ四半期の数字が、1か月足らずで書き換わるのでしょうか。理由は、「年率○%成長」というGDPの数字が、全企業・全家計の取引をその場で数え上げた実測値ではなく、限られた統計をもとに組み立てた推計だからです。速報段階では法人企業統計など主要な調査がまだ出そろっておらず、後から詳しいデータが集まるたびに数字は精度を増していきます。今回の上振れの主因は個人消費で、速報の0.2%増から0.4%増へ改定されました。外食やゲームソフト、パソコンなどの消費が、当初の想定より堅調だったことが分かったのです。
この見方は、次のGDP発表を読むときにも使えます。「速報値」は完成品ではなく第一稿——1か月後の改定値、その先の確報値へと、材料が集まるほど姿を整えていく数字だと知っておくと、月々の一喜一憂に振り回されにくくなります。