アズリテ
ニュース2026年9月14日

乾湿の繰り返しが土からCO2を増やす——温暖化が、さらなる温暖化を呼ぶ仕組み

3 行サマリ
  • 新潟大学・北海道大学など複数機関の研究グループが、北海道の森林土壌を使った室内実験
  • で、極端な乾燥と湿潤を繰り返すと土壌からのCO2放出量が大きく増えることを解明したと
  • 2026年9月11日に発表した。特に火山灰の下に埋没した古い腐植層で影響が大きく、炭素を
  • 閉じ込めてきた金属と有機物の結合が壊れることが原因とみられる。気候変動で豪雨や干ばつ
  • が増えるほど、この仕組みでさらにCO2が増えるという「正のフィードバック」が懸念される。

このニュースを読むための教養

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温室効果のしくみ
温室効果ガスが地球の熱収支を変える仕組みを先に押さえておくと、『土から出るCO2』が温暖化にどう効くかが分かる・約 2 分
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フィードバックループ
『結果が原因を強める』正のフィードバックの構造を先に押さえておくと、この研究の懸念がもう一段深く理解できる・約 4 分
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教養の視点

土が、二酸化炭素(CO2)を出す量を左右する——そう聞くと意外に思うかもしれません。新潟大学・北海道大学など複数機関の研究グループが、北海道の森林土壌を使った実験で、極端な乾燥と湿潤を繰り返すほど、土壌からのCO2放出が大きく増えることを明らかにしました。

土の中には、大気中よりもずっと多くの炭素が蓄えられています。この炭素は、金属と有機物が結びつくことで、長らく分解されにくい状態に保たれてきました。ところが実験では、乾燥と湿潤を繰り返すことで、この結合が壊れ、閉じ込められていた炭素が微生物に分解されてCO2として放出されることが分かりました。特に、火山灰の下に埋もれてきた古い腐植層では、その放出量が微生物の量そのものよりもはるかに大きく、これまで想定されていなかった規模だったといいます。

ここで思い出したいのが、結果が原因に戻って作用する「フィードバックループ」という見方です。気候変動が進むと、豪雨と干ばつという両極端な天候が増えます。それが土壌を、これまで経験しなかったほど極端に乾かし、湿らせる。その結果、土から出るCO2が増え、温室効果がさらに強まる——つまり、温暖化が、温暖化そのものを加速させる歯車が、土の中にもう一つ見つかったことになります。

こうした「気候変動が気候変動を増幅する」仕組みは、永久凍土の融解によるメタン放出や、氷が減ることで太陽光の反射が弱まる仕組みなど、いくつも報告されてきました。今回の発見は、私たちが普段目にする「土」という身近な存在にも、同じ構造が潜んでいることを示しています。気候変動のニュースを読むときは、「これは変化を止める仕組みか、変化を強める仕組みか」を問うてみると、報道の裏にある力学が見えてきます。

読み解きチェック

学んだ概念を、この記事に当てはめてみましょう
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Q1記事によれば、乾湿の繰り返しによるCO2放出の増加が特に大きかったのは、どこの土壌ですか?
Q2この研究が示す「正のフィードバック」の懸念として、記事の内容から最も適切なのはどれですか?

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