アズリテ
ニュース2026年9月14日

サンマ1匹486円——不漁の理由は『海水温』だけでは終わらない

3 行サマリ
  • 水産庁の調査によると、2026年の日本近海のサンマ資源量は、8〜12月の漁期で前年の半数
  • 以下となり、調査を始めた2003年以降で最も少ない見通しだという。東京・品川の鮮魚店
  • では、1匹486円と去年の約2倍の値がついている。海水温の上昇に加え、公海での漁場の
  • 取り合いも資源減少の一因とされる。

このニュースを読むための教養

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地球規模の課題——協力はなぜ難しいか
誰の所有物でもない共有の資源が、各国の合理的な行動の積み重ねで枯れていく『集合行為問題』の構造を先に押さえる・約 3 分
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資源に限りはあるか
『有限な資源』と『拡大する需要』の緊張という視点を先に押さえておくと、水産資源にも同じ構図が当てはまることが見える・約 5 分
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教養の視点

秋の味覚サンマが、今年は品薄です。東京・品川の鮮魚店では、1匹486円と去年の約2倍の値がついています。水産庁の調査によれば、日本近海への来遊量は前年の半数以下で、調査を始めた2003年以降で最も少ない見通しだといいます。

「海水温の上昇でサンマが近海に来なくなった」という説明を、ニュースで見た人も多いはずです。実際、水温が高いとサンマの餌となるプランクトンが減り、近海への回遊が鈍るとされています。しかし、この一因だけでは説明がつかない部分もあります。かつてサンマの主要な漁場は日本の経済水域内にありましたが、今はその多くが公海、つまり誰の所有物でもない海域に移っています。

ここで役に立つのが、「みんなのもの」であるはずの資源が、なぜ枯れていくのかという視点です。公海のサンマは、どの国が獲っても文句を言われません。ある国から見れば、「自分が獲らなければ他国が獲るだけだ」という状況では、先に、多く獲ることが合理的な選択に見えてしまいます。各国がそれぞれ合理的に振る舞った結果、全体としては資源が急速に減っていく——これが「共有地の悲劇」と呼ばれる構造です。

この構造は、有限な資源の上に成り立つ経済という、もっと大きな緊張の一つの現れでもあります。魚は、獲り過ぎなければ毎年また増える「再生可能」な資源のはずです。しかし、再生の速さを上回る速さで獲り続ければ、石油のような枯渇性の資源と同じ道をたどります。サンマの値段が上がったというニュースを見たら、「これは一時的な不漁なのか、それとも共有資源の使い方そのものの問題なのか」と、一段深く問うてみてください。

読み解きチェック

学んだ概念を、この記事に当てはめてみましょう
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Q1記事によれば、今年のサンマの資源量と価格について正しい説明はどれですか?
Q2サンマの不漁を『共有地の悲劇(集合行為問題)』という視点で読むと、どのような構造が見えてきますか?

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