アズリテ
ニュース2026年9月24日

ワクチン陰謀論を信じる人に、正しい情報を届けても届かない——効いていたのはSNSではなくマスメディアへの不信

3 行サマリ
  • 立正大学の研究チームが、2020〜24年に5回実施した調査(600人分)を分析した。新型コロナの
  • ワクチン陰謀論を信じる人は新聞やテレビへの不信が強く、正確な情報を流しても考えを改める
  • 効果は薄かった。SNSの利用がそのまま原因だとは確認できなかった。

このニュースを読むための教養

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フェイクとどう向き合うか
偽情報を「見抜く」だけでなく、手続きで向き合うという考え方を先に知っておくと、なぜ正しい情報が届かないのかが立体的に見える・約 4 分
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SNS時代の情報環境
SNSのエコーチェンバーやアルゴリズムが偽情報を広げるという通説を先に押さえておくと、今回の結果がなぜ意外なのかが分かる・約 2 分
まず 2 分で学ぶ
公衆衛生——社会で病気を防ぐ
ワクチンがなぜ個人ではなく社会の問題として扱われるのか、公衆衛生の視点を知っておくと、陰謀論が広がる怖さが具体的になる・約 3 分
まず 3 分で学ぶ

教養の視点

ワクチンにマイクロチップが入っている、政府や製薬会社は本当のことを隠している——。新型コロナ下で広まったこうした話を信じる人に、正しい情報を見せれば考えは変わるのか。立正大学の山本仁志教授らの研究チームが、2020年4月から2024年4月にかけて計5回行った調査で確かめました。分析の対象は、5回すべてに答えた600人です。

結果は二つ。まず、陰謀論を信じる人ほど、新聞やテレビへの不信が強い傾向がありました。もう一つは、そういう人に正確な情報を流しても、考えを改める是正効果は薄かったことです。

ここで小さな「へぇ」があります。私たちは陰謀論というと「SNSの見すぎ」を思い浮かべがちですが、この研究ではSNSの影響を直接の原因とは裏づけられませんでした。効いていたのは、マスメディアへの不信のほうです。ただし「確認できなかった」は「関係ゼロが証明された」ではありません。SNS時代の情報環境が偽情報を広げる仕組みは、依然として別の研究の主題です。

もう一つ、見逃せない点があります。「政府や製薬会社が情報を隠している」型のほうが、「マイクロチップ」型より信じられていました。荒唐無稽な話より、「隠されているかもしれない」という疑いのほうが、人の心に入りやすいということです。

だから偽情報への対策は、正しい情報を増やすだけでは足りません。その情報を「誰が」伝えるのか、その相手が信頼されているのかまで含めて考える必要があります。ワクチンが公衆衛生という社会全体の話である以上、届かない情報の問題は、他人事ではありません。

次に何かの調査結果を見かけたら、「この数字は何が原因だと言えて、何は言えていないのか」を一度確かめてみてください。この一問は、研究のニュースならどれにも使えます。

読み解きチェック

学んだ概念を、この記事に当てはめてみましょう
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Q1この研究の結果は、「SNSを見るから陰謀論を信じる」という通説について、何を示しましたか?
Q2「正確な情報を流しても是正効果が薄い」という結果は、対策を考えるうえで何を示唆していますか?

さらに深く

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