日銀が政策金利を0.25ポイント上げて1.25%にした。ニュースの見出しは「31年ぶりの水準」で終わりがちですが、みずほ総合研究所の試算は、その先の「で、私の家計はどうなるの?」に答えています。
答えは、年齢で分かれます。家計全体では年4000億円程度のプラスになる一方、29歳以下は年2.2万円、30代は年2.3万円の負担増。60〜69歳は年2万円、70歳以上は年2.1万円のプラスです。
理由は、金利に表と裏があるからです。金利は、お金を借りる人にとっては返済に上乗せされる「値段」、預金する人にとっては受け取る「利息」です。同じ利上げでも、住宅ローンを抱える若い世代は利払いが増え、預貯金を多く持つ高齢層は利息が増えます。日銀が動かすのは政策金利という一本の数字でも、家計に届くころには「借り手にはコスト、貯め手にはリターン」へと形を変えているわけです。
ここで小さな「へぇ」があります。「家計全体でプラス」という平均や合計の数字は、誰かの負担増を、別の誰かの恩恵で打ち消して見せてしまうことがあるのです。全体がプラスだから得、とは言えません。
次に金融政策のニュースを読むときは、「効果は全体でどうか」に加えて、「誰に恩恵が届き、誰が負担するのか」を一問足してみてください。低金利の副作用を扱う金融緩和の副作用と同じく、金利の動きは必ずトレードオフを伴います。どちら側に立つかで、同じニュースの意味が変わって見えてきます。