不動産調査会社の東京カンテイによると、8月の東京23区の中古マンション平均価格(70平方メートル換算)は1億2677万円で、前月より0.4%下がり、3カ月連続の下落になりました。5月までは25カ月連続で最高値を更新していたので、流れが変わったように見えます。
こういうニュースで、つい「マンションが値下がりした」と受け取りがちですが、一呼吸おきたいところです。ここで測っているのは、売りに出ている物件の価格をならした平均です。家賃と住宅価格の決まり方は、買いたい人と売りに出る物件の綱引きでした。価格が上がり続けると、手が届く買い手が減り、綱引きの均衡が動きます。東京カンテイの担当者も、購入しづらい価格設定が続けば、東京以外でも上昇の勢いが鈍る可能性を指摘しています。一方で、平均は「どんな物件がどれだけ出たか」でも動きます。広さや立地の違う物件が多く出れば、個々の値段が変わらなくても平均は変わる。3カ月、4カ月と続く下落を見るのは、その揺れをならして傾向を見るための工夫、と考えると納得しやすいです。
もう一つ、見ておきたいのが金利です。住宅はローンで買う人が多く、金利が上がると毎月の返済額が増えて、買える金額の上限が下がります。今回の記事は金利との関係に踏み込んでいませんが、今後「金利上昇が住宅需要に効くか」が議論になったとき、どこを見ればいいかの手がかりになります。この手の統計は、「何を測っている数字か」と「どれくらい続いているか」の二つを問うと、読み違いにくくなります。