日本の排他的経済水域(EEZ)は約447万平方キロメートルと、世界で6位の広さを持ちます。陸地面積(約38万平方キロメートル)の11倍以上——「国土が狭い」と言われる日本ですが、海の領土は実はかなり広いのです。2026年4月の法改正で、この広大なEEZが洋上風力発電の対象海域に加わりました(公益財団法人自然エネルギー財団、8月20日発表)。従来は領海・内水に限られていた案件形成が、沖合まで広げられるようになったのです。
洋上風力は再生可能エネルギーの一種で、自然の力を使い、燃料も枯渇せず、温室効果ガスも出しません。ただし、どのエネルギー源にも一長一短があります。洋上風力の弱点は「天候や海況に左右され、安定供給に課題がある」ことです。この弱点を補う一つの答えが、設置できる海域そのものを広げることです。世界全体の洋上風力の累計設備容量はすでに91.4ギガワット(2025年末時点)に達しており、日本もEEZという新たな敷地を得たことで、世界の流れに追いつく足がかりを手にしました。
とはいえ、日本政府が掲げる2030年までに10ギガワットという目標に対し、現状の年間導入ペースは0.3〜0.5ギガワット程度にとどまります。海域が広がっても、実際に発電所として稼働するまでには、コストや工期といった別の壁が立ちはだかります。
エネルギーのニュースを読むときは、「使える場所が増えた」ことと「実際に使われている」ことを、分けて見る視点が役立ちます。制度の変化はスタート地点にすぎず、そこから実際の発電量に変わるまでには、まだ長い距離が残っています。