アズリテ
今日のニュース2026年9月12日

天然ガスから、CO2を出さずに水素をつくる——三菱重工の『固体で回収』という発想

3 行サマリ
  • 三菱重工業は2026年9月9日、天然ガスを原料にメタンを熱分解する方式で水素を製造し、
  • 従来は気体の二酸化炭素として排出されていた炭素を固体として回収できる装置を開発したと
  • 発表した。発電用ガスタービンと組み合わせて電力会社などへの売り込みを目指し、2028年
  • をめどに実証を始める計画。

このニュースを読むための教養

準備 0/2 完了
エネルギーをどう得るか
私たちが使うエネルギーが今も化石燃料に大きく頼っていることを先に押さえる・約 4
まず 4 分で学ぶ
脱炭素の現実
脱炭素の技術には、それぞれ長所と乗り越えるべき課題があることを先に押さえる・約 5
まず 5 分で学ぶ

教養の視点

天然ガスから水素を作ると、これまでは決まって二酸化炭素(CO2)が気体として排出されていました。三菱重工業は2026年9月9日、この常識を変える装置を開発したと発表しました。天然ガスの主成分であるメタンを熱で分解し、水素と炭素に分ける「メタン熱分解」という方式で、発生した炭素を気体のCO2ではなく、固体として回収できるといいます。

ここで働いているのは、エネルギーは作れず、形を変えるだけという物理の大原則です。天然ガスという化石燃料に閉じ込められたエネルギーと物質を、水素(エネルギー)と固体炭素(貯蔵や資材に使える物質)に姿を変える——燃やしてCO2として空気中に逃がしていたものを、形を変えてとどめておく発想です。

固体になった炭素は、そのまま貯蔵したり、道路の舗装材などの産業資材に使ったりできるといいます。脱炭素には様々な道筋があり、それぞれに一長一短があります。今回の技術は、再生可能エネルギーへの全面転換を待たずに、今ある天然ガスのインフラを生かしながら排出を減らせる点が特徴です。三菱重工は主力の発電用ガスタービンとセットで電力会社などに売り込む方針で、2028年をめどに実証を始める計画です。

大きな技術転換は、ゼロから生まれるとは限りません。既存の設備と組み合わせられる技術ほど、現実の脱炭素を早く前に進められる——そんな見方もできそうです。

読み解きチェック

学んだ概念を、この記事に当てはめてみましょう
0 / 2
Q1記事は、天然ガスからメタンを熱分解して水素を作り、発生した炭素を気体のCO2ではなく固体として回収する技術を伝えています。この技術はエネルギーについてのどのような性質を利用したものですか?
Q2記事は、この技術について、再生可能エネルギーへの全面転換を待たずに、今ある天然ガスのインフラを生かしながら排出を減らせる点が特徴だと伝えています。これは脱炭素についてのどのような考え方を示していますか?

さらに深く

同じ日のほかのニュース

同じ概念の過去ニュース

エネルギーの保存と変換・適応と緩和