アズリテ
今日のニュース2026年9月13日

ガソリンスタンド、10年で1700社超が消滅——『儲からない本業』を支える仕組み

3 行サマリ
  • 帝国データバンクは2026年9月12日、ガソリンスタンド運営事業者の倒産・廃業が2026年
  • 1〜8月で計144件と、この時期としては過去10年で最多水準になったと発表した。過去
  • 10年の累計では1700社超が市場から退出しており、5年連続の増加。人口減少・高齢化に
  • よる商圏縮小と、ハイブリッド車・EVの普及による燃料需要の減少が背景にあるという。

このニュースを読むための教養

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イノベーションと成長
新しい技術が古い産業を置き換える『創造的破壊』という、成長と衰退が表裏一体である仕組みを先に押さえる・約 5
まず 5 分で学ぶ
人口減少と向き合う
人口減少が地域のインフラや商圏をどう縮小させ、撤退の判断を迫るかを先に押さえる・約 6
まず 6 分で学ぶ

教養の視点

ガソリンスタンドが、静かに数を減らしています。帝国データバンクが2026年9月12日に発表した調査によれば、2026年1〜8月だけで144の事業者が倒産・廃業し、この時期としては過去10年で最多水準。過去10年の累計では、1700社を超える事業者が市場から退出したといいます。ニュースになりにくい変化ですが、地域の生活インフラが少しずつ縮んでいく典型例です。

背景の一つは、ハイブリッド車・EVの普及による燃料需要の減少です。新しい技術が古い産業を置き換える現象は、経済学者シュンペーターが「創造的破壊」と呼びました。馬車が自動車に置き換わったように、内燃機関の車が電動化していけば、給油という行為そのものの必要性が長期的に薄れていきます。成長の裏側で、誰かが痛みを引き受ける——創造的破壊の、痛みの部分がここに表れています。

もう一つの背景が、人口減少による商圏の縮小です。地方では、そもそも客になりうる人の数自体が減っています。特に深刻なのが、「地域で唯一の給油所」という立場のスタンドです。撤退すれば周辺住民が給油に困りますが、客が少なく固定費すら賄えない——増え続けることを前提に作られてきたインフラが、縮む社会の中で立ち行かなくなる、典型的な構図です。

記事が指摘するもう一つの興味深い点は、ガソリン販売そのものの利益は1リットルあたり数円程度ときわめて薄く、車検・洗車・板金整備といった「油外収益」がなければ経営が成り立たないという事実です。私たちが「ガソリンスタンド」と呼んでいる商売は、実はガソリンを売る商売ではなく、給油をきっかけに車まわりのサービス全体で稼ぐ商売だった、とも言えます。

需要を奪う新技術と、支える人を減らす人口動態。二つの力が同時に働くとき、一つの産業がどれだけ早く縮んでいくか——ガソリンスタンドの数字は、その一例を示しています。

読み解きチェック

学んだ概念を、この記事に当てはめてみましょう
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Q1記事が挙げている、ガソリンスタンドの倒産・廃業が増えている二つの背景のうち、一つはハイブリッド車・EVの普及による燃料需要の減少です。もう一つは何ですか?
Q2記事によれば、ガソリンスタンドの経営で『車検・洗車などの油外収益』が重要とされているのはなぜですか?

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