物価という「体温」
経済全体でモノやサービスの値段がどう動いているかを表すのが物価です。物価は経済の体温のようなもので、上がりすぎても下がりすぎても不調のサインです。
物価全体が継続的に上がることをインフレーション(インフレ)、逆に下がり続けることをデフレーション(デフレ)と呼びます。ポイントは「全体」かつ「継続的」であること。アイスが夏に値上がりするだけならインフレとは呼びません。
インフレ:お金の価値が目減りする
インフレが起きると、同じ1万円で買えるものが少しずつ減っていきます。つまり、インフレとはお金の価値が下がることでもあります。
インフレには主に2つのタイプがあります。
- 需要が引っ張るインフレ:景気が良く、みんなが買いたがるので価格が上がる
- コストが押し上げるインフレ:原材料費や人件費の上昇が価格に転嫁される
適度なインフレ(年2%程度)は経済が成長している証拠とされますが、行きすぎると生活を圧迫します。とくに賃金の上昇が物価に追いつかない場合、実質的に貧しくなってしまいます。
デフレ:安くなるのに歓迎できない理由
「物価が下がるなら嬉しいのでは?」と思うかもしれません。しかしデフレが続くと、経済には悪循環が生まれます。
- 「待てばもっと安くなる」と消費者が買い控える
- モノが売れず、企業の売上が減る
- 企業が賃金を下げたり、雇用を減らしたりする
- 収入が減った人々がさらに消費を控える
この悪循環をデフレスパイラルと呼びます。日本経済は1990年代後半から長くデフレ傾向に悩まされ、「失われた30年」と呼ばれる停滞の一因とされています。
物価はどう測る?
物価の動きは、家計が購入する代表的な商品やサービスの価格を集計した消費者物価指数(CPI)などで測られます。ニュースで「消費者物価指数が前年比2.5%上昇」と聞いたら、平均的な買い物カゴの中身が1年前より2.5%高くなった、とイメージしてください。次のレッスンでは、経済全体の大きさを測る「GDP」を学びます。