アズリテ

ニュースを教養で読む2026年7月2日

実質賃金が4カ月連続プラス——「賃金が上がった」は本当か

厚労省の毎月勤労統計で、物価の影響を除いた「実質賃金」がプラスを続けている。 2026年4月分は前年同月比+1.9%で、4カ月連続のプラスとなった。 名目賃金の伸びが物価上昇率を上回る状態が定着するかが焦点になる。

出典: 厚生労働省 毎月勤労統計調査

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  • 統計の読み方科学リテラシー

    「前年同月比」「平均賃金」という統計の読み方

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アズリテの「教養の視点」

「実質」という言葉が付いた瞬間、そのニュースは賃金のニュースであると同時に「物価」のニュースでもあります。

名目賃金は「もらう金額」、実質賃金は「その金額で買える量」です。名目賃金が2%増えても、物価が3%上がっていれば、暮らしはむしろ苦しくなっている——この目減りを捉えるために、名目賃金を物価指数で割り引いたものが実質賃金です(インフレとデフレ)。日本では物価高が先行して実質賃金のマイナスが長く続いてきたため、プラスが続くこと自体がニュースになっています。

ただし、この統計を読むときの注意もあります(統計の読み方)。毎月勤労統計は事業所ベースの「平均」なので、賃金の低いパートタイム労働者の比率が変わるだけでも数字は動きます。前年同月比は、比べる相手である前年の数字が低ければ大きく出ます。そして速報値は後から改定されることが珍しくありません。「自分の給料は上がっていないのに」という実感と平均値のずれは、どちらかが嘘なのではなく、平均という要約の性質です。

もう一つの読みどころは、この数字が政策の判断材料になることです。賃金の伸びが物価に追いつき、「賃金と物価の好循環」が確認されれば、日銀が金利のある世界へ正常化を進める根拠になります(金融政策と財政政策)。毎月出る統計だからこそ、今月の数字に一喜一憂せず、方向と持続性を見る習慣が効いてきます。

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「名目賃金は増えたのに、実質賃金の伸びはそれより小さい」——この差は何を意味しますか?

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