毎月19日前後に発表される消費者物価指数(CPI)は、経済ニュースの最重要定例イベントの一つです。今回の読みどころは、3つの数字の「関係」にあります。
CPIには複数の系列があります(物価指数)。総合は文字どおり全部入り。「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」は天候で振れる生鮮を除いたもので、報道の主役。「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は国際市況で動くエネルギーも除き、国内の基調的な物価に最も近い系列です。なぜ「除く」のか——それはノイズをフィルタリングして基調(シグナル)を見るため。統計の読み方で学んだ「単月の振れと傾向の区別」の、公式版の道具立てです。
今回の形は「総合+1.5%、コア+1.4%、生鮮・エネ除く+1.8%」。除いた系列のほうが高いのは、エネルギーなどが全体を押し下げているサインで、基調的な上昇は見た目より根強い、という読みになります。同じ発表を「物価は落ち着いた」とも「基調は根強い」とも書ける——見出しがどちらの数字を選んだかに注目してください。
そしてこの数字の行き先は金融政策です。物価上昇率は実質金利を決め、日銀の利上げ判断の最重要材料になります。CPIの読み分けができると、翌月の金融政策のニュースが「予習済み」になるのです。