食料の値上がりというと、つい「みんなが買うから上がる」と需要側を思い浮かべます。でも今回の値動きは、供給側の細りが主役です。FAO(国連食糧農業機関)の7月の食料価格指数は131.1で、3年半ぶりの高さになりました。上がったのは穀物(前月比+3.4%、小麦は+5.8%)と植物油(+2.0%)です。
押し上げたのは、三つの供給ショックの重なりでした。第一に、悪天候による不作懸念。第二に、黒海地域の物流が混乱するかもしれないという懸念——小麦の一大産地なので、実際に止まる前から先回りして価格が動きます。第三に、中東情勢を受けた燃料と肥料の高騰。作物を育て、運ぶコストが上がれば、値段に乗ります。
ここで効くのが、供給ショックは品目で方向が分かれるという視点です。同じ月に、肉類・乳製品はむしろ下落しました。「食料全体が高い」と一括りにせず、何の供給が細ったのかを分けて見ると、値動きの理由がほどけます。
そして、これは遠い国だけの話ではありません。食料や燃料は世界の市場で値段が決まり、国産の食品でも、肥料・飼料・輸送を通じて国際市況とつながっています。持ち帰れる読み方——値上がりのニュースに出会ったら、まず「需要が増えたのか、供給が細ったのか」を切り分け、供給側なら「どこの、何が」を一つずつ数える。価格は、需要と供給の両側から読むと視界が晴れます。