アズリテ
今日のニュース2026年7月28日

CO2が急に増えた「犯人」は、排出増ではなかった——弱った自然のブレーキ

3 行サマリ
  • 国立環境研究所は7月22日、温室効果ガス観測衛星「いぶき」(GOSAT)のデータから、
  • 2023〜2024年の大気CO2濃度の大幅な上昇は、化石燃料の排出増ではなく、
  • 陸の生態系が吸収するCO2が減ったことが主因だと発表した。追加で大気に残ったCO2は
  • 熱帯から22.2億トン、北半球中高緯度から8.4億トン(炭素換算)。気温上昇が吸収を弱めた。

このニュースを読むための教養

準備 0/2 完了
温室効果のしくみ
そもそもCO2が増えると、なぜ気温が上がるのか・約 2
まず 2 分で学ぶ
フィードバックループ
「温まると吸収が減り、さらに温まる」自己増幅の型・約 4
まず 4 分で学ぶ

教養の視点

大気中のCO2が2年で大きく跳ね上がった——そう聞くと、「人間がそれだけ多く燃やしたのだろう」と考えたくなります。ところが国立環境研究所が衛星「いぶき」のデータから突き止めた犯人は、そこではありませんでした。化石燃料の排出量が急増したのではなく、陸の生態系がCO2を吸い込む力が落ちたことが主因だ、というのです。

ここを読み解くには、気候を「アクセルとブレーキ」で見るのが早い。人間の排出がアクセルなら、森林や土壌がCO2を吸う働きはブレーキです。ふだんは、出たCO2の一部を自然が吸い戻してくれている。今回はそのブレーキが緩んだ。追加で大気に残ったCO2は、熱帯から22.2億トン、北半球中高緯度から8.4億トン(炭素換算)。北半球では、気温が上がったことで植物の呼吸が増え、光合成による吸収が抑えられたのが効いた、と分析されています。

怖いのは、これがフィードバックの顔をしていることです。温暖化が進む→暑さで吸収源が弱る→大気にCO2が多く残る→さらに温暖化が進む。変化がみずからを強めていく「正のフィードバック」の形です。人間が出す量を仮に一定に保っても、自然のブレーキが弱れば濃度は上がりうる。だからこの発見は、「排出を減らす」だけでなく「吸収源を守る」ことの重みを突きつけます。

持ち帰れる読み方はこうです。気候のニュースを見たら、「アクセル(排出)」だけでなく「ブレーキ(吸収)」がどうなっているかを必ず一緒に見てください。そして「この変化は、自分をさらに強める向きに働かないか」と問う癖をつける。フィードバックが見えるようになると、気候だけでなく、経済でも人口でも、暴走と安定の分かれ目が読めるようになります。

読み解きチェック

学んだ概念を、この記事に当てはめてみましょう
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Q1この研究が示した「2023〜2024年に大気CO2が大きく増えた主因」はどれですか?
Q2「気温が上がると森林や土壌の吸収が弱り、それがさらに気温を押し上げる」。この構造を指す言葉はどれですか?

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